清宮幸太郎の「センバツ」を振り返る。夏への課題とは?

清宮幸太郎の「センバツ」を振り返る。夏への課題とは?

第89回選抜高等学校大会で優勝候補として期待された早稲田実業は、2回戦で姿を消した。高校通算79本塁打を積み重ねてきた怪物・清宮 幸太郎は2試合で9打数3安打に終わっている。今回はセンバツでの清宮幸太郎のパフォーマンスを徹底分析すると同時に、最後の夏に向けての課題にも触れていきたい。

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    gooスポーツ編集部
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東海大福岡バッテリーに徹底して攻められた「高め」のボール

 第89回選抜高等学校大会で早稲田実業は、明徳義塾に延長10回・5対4で競り勝ったが、東海大福岡戦では8対11で敗れた。高校通算79本塁打を積み重ねてきた怪物・清宮 幸太郎は2試合で9打数3安打に終わっている。では、最後のセンバツで清宮が得たものとは何だったのだろうか?

 この2試合で清宮は改めてパワーの凄さを見せつけた。それは本塁打ではなく、フライの滞空時間の長さによってである。

 一例をあげれば、明徳義塾戦の第2打席で放ったセンターフライ。このタイムは7秒25。ドラフト候補のフライ基準が6秒~6秒2ということを考えると、このタイムは群を抜いている。さらに、東海大福岡戦の第3打席、センター・ライトの間に落ちた三塁打のタイムは6秒94、第5打席のショートフライも、風に大きくあおられる形になりながらも6秒84。安定して滞空時間が長いフライを打ってきた。

 その反面、結果は清宮のこれまでを見れば全く満足できるものではない。今後、彼に求められてくるのは「自分がどういう攻めをされているのか」という読みの部分である。

 これまで清宮は、外角中心や内角を攻められることが多かった。昨秋の東京都大会決勝戦で日大三の左腕・櫻井 周斗に5三振を喫した際は縦スライダーの対応に苦しんでいたが、これはレアケース。しかし今大会、明徳義塾・東海大福岡両校バッテリーは「高め」の使い方を工夫してきた。

 特に東海大福岡バッテリーは、高めのつり球を積極的に使っていた。エースの安田 大将はストレートは120キロ~127キロぐらいだが、強く腕が振れて、手元で切れる球筋を投げる。しかも右サイドといっても、ボールを離す位置はアンダーに近い。
 
 かつ、清宮は「ローボールヒッター」といわれているように、救い上げて打つ打球が多い。よって清宮は打席の中で、安田のボールが手元で浮くイメージを感じたことだろう。となれば、滞空時間が長いフライが出るのも必然である。

見習うべき打者は、侍ジャパン4番・筒香 嘉智だ!

 この攻め方は、もちろんライバルとなる東京都のチームすべてが参考にするはず。4月5日に初戦を迎える都大会から清宮はセンバツと同様のマークを受けることだろう。そこで清宮がさらに進化するためにはさらに「一発で仕留める」技術が必要となってくる。

 では、清宮 幸太郎は誰をモチーフにすべきなのか?お手本となる打者は侍ジャパンWBC代表の4番を務めた筒香 嘉智(横浜DeNAベイスターズ)である。筒香はWBCで3本塁打を放ったが、その中で最も参考になるのがキューバ戦の本塁打だろう。この一発は高めの直球に対して、ヘッドが下がらず、ボールの軌道に対して、水平なスイング軌道でライトポール際へと持っていった。

 一体、高め、低めに対して、どんなスイング軌道をすればアジャストできるのか?清宮が求められているのは、筒香のように高めを打つスイング、低めを打つスイングの使い分けを瞬時に判断し、実行できる力。身体や飛ばす力についてはすでに高校トップレベルにあるだけに、これが備われば来る9月にカナダで行われる「WBSC U-18ワールドカップ」でも侍ジャパンU-18代表の4番を務めあげる選手になれるはずだ。

 1年春から常に話題の中心にあった清宮 幸太郎が「最後の夏」まで残り3か月ほど。私たちも日本のスラッガー候補のラストスパートに注目していきたい。

【寄稿】 by 高校野球ドットコム

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